
左側が正常で右側がストレートネック
肩こりや首こりの元凶は「ストレートネック」です。ストレートネックとは、本来ある程度曲がっていなければならない首の中にある骨がまっすぐになってしまうことです。性別で考えるとき、女性のほうがストレートネックが多くみられます。特に10~30代の若い世代に多いようです。首が長くて細い人、胸の大きい女性もなりやすい傾向があります。しかし、最大の要因はよくない姿勢です。
パソコンやスマホによる前かがみ・うつむき姿勢

首が60度傾くと、頚椎や背骨上部に60ポンド(約27kg)もの負担がかかる
前かがみの姿勢、うつむきがちの姿勢を長時間続ける場面の多い生活習慣はストレートネックを生じさせます。それ以外にストレートネックの原因がないといえるほど、強調してもしすぎることはありません。意識しないとなかなか気づきにくいですが、現代人はそれだけ目線が下になって前かがみ、あるいはうつむきがちな姿勢の時間が多いのです。
ここのサイトでも何度か述べていますが、大人の頭の重さはその人の全体重の10%ほどを占めており、平均して6kgほどあります。その頭部はうつむきの姿勢になったときに、4倍以上の負担になることもあるのです。下向きになればなるほど、首や背骨にかかる負担は増します。
自分自身の生活を振り返ってみるとき、どれだけ下向きになっている場面が多いか気付かされるものです。多くの人は、スマートフォンやパソコンなどで目線が下向きになり、猫背になり、あごが上がり、口呼吸になりがちです。こうなると何一ついいことがありません。
ストレートネックというのは、基本的に長い年月をかけて少しずつ進行するものです。一日一日の生活習慣の積み重ねなのです。しかし、急速に進むものもあります。24時間ずっとパソコンに向かうような仕事を2~3週間ぶっ通したり、交通事故などで強い力が一気に加わったりしたときに本来の首のカーブが失われてしまいます。
アクセサリーによるストレートネックや服装
姿勢以外にもストレートネックの要因はあります。それはアクセサリーや服装などです。たとえば女性の場合、きつく締め付けるタイプのブラを付けていたり、首や胸元を冷やしやすい開けた服装をしていると、首や肩などの血行が悪くなります。
ネックレスやイヤリングなどのアクセサリー類も、その重さが首や肩の負担となって、ストレートネックの原因となることがあるのです。重いネックレスを好んで楽しむことの多い人は、肩こりや頭痛などに悩まされている場合、試しに外して生活してみるとよいかもしれません。
さらに、肩や首に負担をかけ過ぎないという観点で考慮すると、かばんの持ち方なども当てはまります。持ってみて「重い」と感じるかばんや、荷物などを長時間持っていると、当然首や肩に掛かる負担は増えます。片方の手でずっと持ち続けるものよくありません。
また、肩からななめにかけるタイプのかばんも首の筋肉や神経を圧迫しやすく、ストレートネックや手のしびれにつながることがあります。首や肩の健康のことを思うなら、かばんはリュックサックが最善です。
結局のところ、首や肩の中にある頚椎はとてもナイーブにできているため、できるだけ負担を軽くしてあげることがポイントになります。姿勢や服装など、毎日の生活という視点から首をいたわる習慣を大切にしたいものです。