一般的によくみられる頭痛は大きく3種類に分類されます。その3種類とは、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛です。では、ひとつずつみていきます。
片頭痛
片頭痛は20~50歳代の女性に多く見られる頭痛です。頭部の血管が拡張して周囲の神経を刺激することによって炎症が起き、痛みとなります。
症状
- 痛みが激しくなることもあり、あまりの痛みで身動きできなかったりします。
- 痛みの感じとしては、ズキン、ズキンといったものや、ガンガン…と脈打つように痛みが襲ってくるものがあります。
- 痛みの場所は、片側のこめかみから目にかけてのあたりが多いようです。およそ4割の人が片側ではなく、両側の痛みを訴えます。
- 痛みがひどいときには吐き気を催し、実際に吐く人もいます。
- 痛みがあるときには、頭を少し動かすだけで痛みが増します。
- 閃輝暗点(頭痛の前触れとして、目の前がチカチカしたりする現象)など、前兆をともなうこともあります。
原因として考えられるもの
- 疲れ
- 睡眠不足
- 睡眠過多
- ストレス
- 光
- 騒音
- におい
- 月経
片頭痛をすぐに解決するような簡単な方法はありませんが、睡眠をとったり、薬を服用したり、痛いところを冷やして炎症を抑えたりして改善を試みることが有効な場合があります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は日本人に最も多く見られる頭痛で、一般的な頭痛の約7割を占めています。成人の20%以上、人口にして2000万人以上が悩まされているとみられています。大抵の場合、頭や首や肩の筋肉が緊張して血流が悪くなることにより、乳酸と呼ばれる疲労物質がたまり、神経を刺激するために痛みが生じます。
症状
- 後頭部から首筋にかけて、重苦しい、締め付けるような痛みがあります。
- 片頭痛と違い、頭の両側が痛むケースが多いようです。
- いつの間にか始まり、だらだらと続く症状がよく観察されます。
- ひどい場合、毎日症状が出現します。
- めまいを伴うこともあります。
- 首や肩の凝り、眼精疲労を伴うことがあります。
原因として考えられること
- 精神的なストレス
- 姿勢の悪さ
- 肩こりなどの血流の滞り
改善方法としては、凝りによる血液の循環低下を改善するため、入浴や温湿布などで温めたり、運動したり、少量の飲酒を試みることができます。
群発頭痛
群発頭痛は群発地震のように、一定期間に集中して生じる頭痛です。片頭痛が女性に多いのに対し、群発頭痛は20~30代の男性に多く見られます。この頭痛の特徴は必ず頭の片側だけが痛むというものです。また、片頭痛や緊張型頭痛より痛みが強く、眼の奥をえぐり取られるような、じっとしていられない痛みがあります。こめかみの血管が広がるために生じると言われていますが、その原因はよくわかっていません。
症状
- 痛みが生じる頻度は年に1~2回、あるいは、2~3年に1回ほどです。
- 1回の痛みは15分~数時間ほど続きます。
- 一度発生すると、1~2ヶ月間は毎日のように痛みが出現します。
- あまりの痛さに眠っていても目が覚めることがあります。
- 頭痛があるときは、涙や鼻水、鼻づまりなどを伴うこともあります。
原因として考えられること
- 飲酒
- ニトログリセリンの服用(狭心症や心筋梗塞の薬)
- 飛行機内での急激な気圧の変化
- 自律神経の異常
改善方法としては、酸素の吸入が有名です。
混合型頭痛
最後にもう一つ、片頭痛と緊張型頭痛が同時に生じる「混合型頭痛」を付け加えておきます。
この頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛が同時に生じますから、それぞれの対処法、片頭痛→冷やす、緊張型頭痛→温めて筋肉のこりをほぐすといった方法を状況に応じて試すことができます。両方とも同程度の痛みの場合は、片頭痛のほうを優先して「冷やす」治療を行なうとよいでしょう。