痛風治療の3段階 どんな薬を飲む

痛風治療は3段階

痛風の治療は大きく3段階に分けられます。

  1. 痛風発作に対する治療
  2. 尿酸コントロールの初期治療
  3. 尿酸コントロールの生涯治療

第1段階の「痛風発作に対する治療」は、発作の痛みを和らげるための治療です。主に薬物療法で、前兆が見られるときに飲むものと発作が生じた時に飲むものの2種類に分けられます。

痛風発作が治まれば第2段階に入り、薬物療法・食事療法、その他の日常のケアを併用して何ヶ月間か治療を行います。これは尿酸値を正常値に戻す段階で、発作が治まった直後に尿酸値を下げようとすると再び発作を起こしやすいので、数ヶ月かけてゆっくりと尿酸値を下げてゆきます。

第3段階では、合併症の予防や発作を繰り返さないための生涯に渡る尿酸コントロールが行われます。この段階では、薬物療法と食事療法と同時に定期的な尿酸値の検査が行われます。

このように、痛風は一度発症すると生涯にわたって尿酸コントロールを続けてゆかなければならない病気です。痛風患者の約90%が原因不明の一次性(原発性)がこれに相当します。なお、残りの約10%の痛風患者ははっきりしている原因さえ解決すれば痛風ともお別れできます。

痛風発作が起きそうなときに飲む薬

一度痛風発作を経験すると、次に発作が生じそうなときには前兆を感じやすくなります。発作が起きる一日前ほど前から足の親指がムズムズしたり、ビリビリするため、普段とは違う違和感を患部に感じます。

そのような前兆を感じた時に飲む薬の代表が「コルヒチン」です。コルヒチンは、痛み止めの薬ではなく、白血球が尿酸ナトリウム結晶を攻撃するのを抑制するものです。予防薬の部類に入ります。

痛風発作が起きそうなときに飲む薬「コルヒチン」

痛風発作が起きそうなときに飲む薬「コルヒチン」

この薬は予防薬ですから、発作が生じてから飲んだのではあまり効果がありません。ですから、前兆を感じたらすぐに飲まなければなりません。

成分はユリ科のイヌサフランという植物の種や球根から摂取されたアルカロイドの一種で、古代ギリシャではすでに痛風薬として使用されていた古い歴史があります。

コルヒチンを多量に服用すれば確実に発作を抑えることができますが、この薬には副作用があります。個人差はありますが、激しい下痢や吐き気、ときには脱毛症状さえ報告されています。

また、骨髄の機能を抑制して、白血球や赤血球の数を減らすことにより身体の機能を低下させます。よく効きますが、乱用は絶対に避けなければなりません。欧米では、2~5時間ごとに0.5mgずつ、1日の使用総量6mgを限度としています。

日本人は体が小柄なため、副作用に留意し、発作の予防薬として1日1錠(0.5mg)の服用を限度としています。

痛風発作が生じた時に飲む薬

コルヒチンは発作の前兆を感じた時に飲む薬ですが、発作が生じたら飲む薬もあります。それは、非ステロイド系の抗炎症薬というものです。

痛風の激痛を抑えるために、炎症を抑えて痛みを取り除くために非ステロイド系の抗炎症薬を服用します。抗炎症薬としてはアスピリンが有名ですが、アスピリンは尿酸値を変動させる作用があるため、痛風発作には用いられません。

痛風発作に用いられるのは、ナプロキセン、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、フェンブフェン(いずれも一般名)などです。

  • ナプロキセン 1錠100mg 1回2錠、1日2~3回
  • ジクロフェナクナトリウム 1錠25mg 1回1~2錠、1日2回または1回1錠、1日3回
  • インドメタシン 1カプセル25mg 1回1カプセル、1日2~3回
  • フェンブフェン 1錠200mg 1回2錠、1日2~3回
炎症を抑えて痛みを取り除くための抗炎症薬「ナプロキセン」

炎症を抑えて痛みを取り除くための抗炎症薬「ナプロキセン」

服用に関して、守るべき注意点があるでしょうか。これらの非ステロイド系の抗炎症薬には、正しい服用方法として次のことを守らなければなりません。

  • 発作が生じたら、なるべく早く最大常用量を服用する。
  • 発作の最中には尿酸降下薬は服用しない。
  • 炎症が治まったら非ステロイド系抗炎症薬の服用は中止する。

非ステロイド系の抗炎症薬は効き目の強い薬ほど副作用も強いと言われています。薬の種類によって、それぞれ服用量が異なるため、使用に関しては医師の指示を必ず守らなければなりません。

恐れられている副作用のひとつは、腎障害の患者が非ステロイド系抗炎症薬を服用して、さらなる機能低下を招くことです。腎機能に障害がある人は特に注意が必要です。

尿酸をコントロールする薬―尿酸排泄低下型

痛風の原因となる高尿酸血症は尿酸排泄低下型と尿酸産生過剰型と両方の特徴を合わせ持った混合型があります。尿酸をコントロールするための薬は大きく分けて2種類あります。

尿酸排泄低下型のタイプには尿酸の排泄を促進する「尿酸排泄促進薬」を使用します。尿酸排泄促進薬の副作用は、尿中に排泄される尿酸を増やしてしまうので、腎障害を悪化させたり、尿路結石を発症させたりすることがあります。

尿酸排泄低下型に用いられるベンズブロマロン

尿酸排泄低下型に用いられるベンズブロマロン

代表的な薬に「ベンズブロマロン」があります。この薬は作用が強く、服用は1日1回、半錠~1錠となります。効果の強さから、急速に尿酸値が低下してかえって痛風発作を起こす場合があります。副作用としては、尿中の尿酸が増加するため、結石ができやすくなります。

他には、「プロベネシド」という薬もあります。この薬は、ベンズブロマロンの20分の1の強さで作用します。1日2回服用します。副作用としては、ペニシリン、アンピシリン、セファロジンなどの抗生物質と併用すると、抗生物質の排泄を遅らせる作用があります。尿酸をコントロールする薬の中では、最も古くから使われる歴史のある薬です。

尿酸をコントロールする薬―尿酸産生過剰型

尿酸産生過剰型のタイプには体内での尿酸の合成を抑制し、血液中の尿酸を減らす「尿酸合成抑制薬」を使用します。尿酸合成抑制薬の副作用はまれに軽度の肝障害や胃腸障害を起こすことがあります。

代表的な薬にザイロリック(アロプリノール)があります。この薬は尿酸が過剰に作られている人だけでなく、腎機能が低下している人、腎結石や尿路結石などを合併している人、尿酸排泄促進薬を服用してもあまり効果が見られない人にも使用されています。

服用は1日1~2回、長期間服用し続けても副作用はほとんどありませんが、まれに薬剤アレルギーによる発疹や軽度の腎障害や薬疹が出ることがあります。

尿酸産生過剰型に用いられるアロプリノール

尿酸産生過剰型に用いられるアロプリノール

40年ぶりの新薬「フェブリク」

アロプリノール(ザイロリック)より強力な尿酸合成抑制薬として40ぶりの新薬が「フェブリク」です。アロプリノールが1日2~3回服用しなければならなかったのに対し、フェブリクは1日1回の服用で済みます。

アロプリノールが腎臓に疾患のある患者に対して制限があったのに対し、フェブリクは腎機能が低下している患者でも問題ありません。ただ、アロプリノールより高価なのが難点です。

病院で診察を受ければフェブリクを処方してもらえます。一応、掲載しておきますが、個人でフェブリクのジェネリック薬「フェブタズ(Febutaz)」がインターネットで購入可能です。

混合型

混合型のタイプには、合併症なども考慮して、どちらの薬剤が適切か判断します。場合によっては、両方の薬を併用することもあります。

もし、薬を飲み忘れるとどうなるのでしょうか。薬を1日でも飲み忘れると、翌日は尿酸濃度が急上昇してしまいます。1日飲み忘れたからといって、2日分をまとめて飲むようなことは絶対にしてはなりません。これもやはり、医師とよく協力して、その指示に従った服用を続けてゆくことが大切です。