群発頭痛の症状と対策

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片頭痛は女性に多い頭痛ですが、群発頭痛は男性に多い頭痛です。男女比でいうと、男性5に対して女性1といった割合です。もちろん女性でこの頭痛に悩まされる人もいます。人口比でいうと1万人に1人の発症割合であり、認知度はそれほど高くはありません。この頭痛の発症年齢はおもに20~40歳代です。遺伝といった要素は見られず、他の疾患との関連性も特にありません。

年1~2回、決まった季節に発生

頭痛発生部位はいつも同じところで、片側の目の奥または目の周りに痛みが生じます。通常、痛みはこめかみや上顎などに拡散します。痛みが続く時間は個人差があり、15分~3時間程度と幅がありますが、平均的な痛みの持続時間は2時間ほどです。

痛みの発生頻度は、年に1~3ヶ月の間だけまとまって生じます。群発頭痛は「群発地震」のように、いったん起こり始めると連日頭痛が発生します。連日の決まった時間に平均して2時間ほど頭痛に悩まされるというわけです。ほとんどの人は夜中に痛みがやってきます。

季節の変わり目、春や秋に発生することが多いようです。春と秋といったように、年2回の頭痛周期がやってくる人もいます。いつも決まった時期に発生することが多いので、予測可能な頭痛です。恒例のように毎年起きる場合もありますが、発生しない年や特に痛みがひどい年など、予測が外れることもあります。

尋常ではない痛み

群発頭痛の痛みは大変激しいもので、緊張型頭痛などの他の頭痛をはるかに凌駕しています。人によってはお産よりも痛いと言われるほどのもので、心筋梗塞や尿路結石と並んで、人間が生きているうちに味わうかもしれない3大痛に含められています。尋常ではない痛みに頭を壁や柱に打ち付けたり、救急車を呼ぶ人もいます。別名「自殺頭痛」とまでいわれているのです。

とはいえ、頭痛がない時期にはうそのようにまったく症状がありません。激しい頭痛に加え、涙や鼻水が出たり、瞳孔が小さくなったり、顔が赤くなるといった症状が伴うことがあります。

原因

群発頭痛の原因とされるものは何でしょうか。はっきりとしたメカニズムについて、まだ詳細が明らかになっていない点が多くあります。

一つの説として考えられているのは、眼球の奥にある内頸動脈という脳へ血液を送る血管が拡張し、その周辺に炎症が生じて、三叉神経を刺激するのではないかというものです。この血管を取り巻いている涙腺の働きや瞳孔の大きさを司る自律神経が刺激されるため、涙や鼻水が出る、瞳孔が小さくなる、結膜が充血して顔面が赤くなるというような症状が併発すると考えられています。

別の説として提唱されているのは、身体の生物時計を司っている脳内の視床下部が群発頭痛の発生源ではないかというものです。群発頭痛の最大の特徴は、いつも決まった時期、決まった時間帯という規則性にあります。

群発頭痛の患者のPET(陽電子放射断層撮影)によると、頭痛発生時期には視床下部が活性を帯びているのに対し、頭痛がない時期では、活性が観察されないという違いが発見されていません。このことから、群発頭痛と視床下部に何らかの関係があるものと見られています。

セルフケア

群発頭痛のために自分でできる予防や対策があるでしょうか。

入浴後にこの頭痛が発生する人がいます。血管が拡張するためと思われます。ですから、群発頭痛発生時期には、長く湯船に浸かることは避け、短時間の入浴か、シャワーだけで済ませるようにします。

また、飲酒によってこの頭痛は誘発、悪化します。経験者はその痛みがあまりにも強烈なために「群発頭痛が発生している時期にはとてもお酒など飲めない」と言います。言う間でもないことですが、その痛みを悪化させないために禁酒しましょう。しばらくは我慢ですが、痛みの時期が治まればまた飲めるようになります。

これは医療の範囲になりますが、群発頭痛には酸素吸入やスマトリプタン(イミグラン)と呼ばれる薬剤が効果的です。とはいえ、酸素吸入は専門の装置が必要なため、家庭で行なえないのが難点です。それは病院へ行ってしてもらうしかありません。

スマトリプタンなら医師から処方してもらうことができます。それには錠剤、点鼻薬、注射などがあります。「イミグランキット皮下注3mg」と呼ばれる自宅で行なえる注射キットを処方してもらうこともできます。これらの処方薬を頭痛対策として枕元に置いておき、いざというときにすぐに対処できるようにしておくなら安心が増すに違いありません。