痛風食事療法 減塩

塩

高血圧と痛風

高血圧症は日本人に高い頻度で見られる疾患のひとつです。現在、日本の高血圧症患者は3300万人以上といわれています。痛風や高尿酸血症と高血圧にはどのような関わりがあるのでしょうか。

はっきりとした関係性については明らかではありませんが、尿酸値が高い人は、通常の人より高血圧症を発症しやすくなります。痛風患者の約40%という半分近くが高血圧に悩まされていると言われています。

高血圧で、血圧の原因のわからないものを本態性高血圧症と呼びますが、全高血圧患者の約90~95%もの人がこの原因のわからない型の高血圧です。はっきりわからないとはいえ、痛風と高血圧は極めて密接な関係にあるようで、合併しやすいことはわかっています。

この尿酸値も血圧も高いという状態では、動脈硬化が加速度的に進み、死亡率の高い脳卒中や狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こすリスクがかなり高くなります。

動脈硬化

塩分の取り過ぎ

高血圧を招く原因はいろいろありますが、食生活の影響としては塩分の取り過ぎが挙げられます。塩分を多く取ると、胃がんをはじめとするがんの危険性が増大すると言われています。

また、塩分の濃いおかずがあると、どうしても白ご飯を食べ過ぎてしまい、カロリーオーバーから肥満へとお決まりのコースをたどりやすくなります。

1日10g以下

食塩の摂取量は1日10g以下が望ましいとされています。しかし、痛風で尿酸値が高い人は、1日8g以下を目標に、すでに高血圧の人は1日7g以下を目標にしましょう。

この1日10g、8g、7gというのは、しょうゆやみそなどの調味料に含まれる塩分、加工品などに隠れて含まれている塩分など、体に取り入れる塩分すべてを含みます。

塩分とりすぎ注意

塩分とりすぎ注意

以下は代表的な調味料や様々の食べ物に含まれる食塩の量を表しています。

様々な調味料の塩分(大さじ1あたりのグラム数)
食塩14.9豆板醤3.6
濃口しょうゆ2.6薄口しょうゆ2.9
減塩しょうゆ1.4中濃ソース1
オイスターソース2.2トマトケチャップ0.5
マヨネーズ0.3ウスターソース1.5
赤みそ2.3白みそ1.5

こんな隠れ塩分にも要注意!(一人前 単位g)
梅干し1個2天丼3~4
カレーライス2.5~3.5おにぎり2個2.5~3
かけそば4.5~5インスタントラーメン1個5
ラーメン5~6ハンバーグ2~3
ピラフ2.5~3ポタージュスープ1.5
ハンバーガー1.5~3コンビニ弁当3~5
焼き魚定食4~5豚の生姜焼き定食4.5
天ぷら定食5~5.5とんかつ定食4.5
レバニラ定食5~5.5麻婆豆腐定食6
酢豚定食6.5八宝菜定食7~8

食塩1日7~8g以下

厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量は10g以下ですが、これは健康な人の場合で、痛風や高血圧の人は1日7~8g以下が目標です。

食塩10gとは具体的にどれくらいなのでしょうか。計量スプーン小さじ山盛り1杯が10gくらいと言われています。思い返しても、そんなにとっていないから大丈夫と思いますか。私たちが取り入れる加工品や外食には思った以上に食塩が使われているので注意が必要です。

カリウムを摂る

食塩の摂取量に注意するとともに、体内の余分な塩分を排出する働きをもつカリウムをたくさん含む野菜をしっかり摂ることも大切です。カリウムを取るのに最適な野菜はかぼちゃです。かぼちゃはゆでてもカリウムの量が変化しないので最適な野菜というわけです。

かぼちゃ

少しずつ慣らす

急激な減塩は失敗する可能性が大きいと言われています。料理の味付けが急に薄くなってしまうと長続きしないのかもしれません。ですから、減塩するときには、少しずつ減らしてゆくことです。遠回りに思えても、少しずつ薄味に慣れるのが、減塩を成功させる一番の近道なのです。

美味しい薄味料理のための工夫

塩分が減る分、他の方法でカバーしたいところです。どんな工夫ができるでしょうか。ここでは、調理における減塩のポイントをご紹介します。

  1. 煮物は調味料をできるだけ減らし、かつお節や昆布などの天然だしを多めに使ってだし濃い目に仕上げる
  2. 揚げ物は旨みのもとが中に閉じ込められているので、醤油やソースをかけてなくても十分美味しい
  3. フライパンで油を使用するときは、軽く焦げ目をつけてから、最後に少しだけ垂らして使用する
  4. 中まで味がしみこんでいなくても、表面に味がついていれば美味しいと感じるものなので、調味料を入れるタイミングは最初ではなく最後のほう
  5. 薄味でもカレー粉やわさび、こしょう、とうがらし、しその葉、みょうが、ゆず、レモン、ハーブ、などの香辛料や香味を使うと十分すぎるほどおいしくなる
  6. 鮮度の良い物を使う(できれば旬のもの)
  7. 調味料はきちんと軽量して使う(減塩調味料などを使うのもひとつの方法)
  8. ごま油やオリーブオイルなどの油で香りやコクをアップする(使用量に注意)
  9. 焼き物は焼く直前、もしくは焼き上がりの頃に調味料をかける
  10. 煮物は火が通ってから調味料を入れる
  11. 焦げ目・色づけで実際より濃い味に見える
  12. 汁物は具たくさんにする
  13. 酢・柑橘類・ヨーグルトなどの酸味を取り入れる
  14. 普段から薄味志向を目指す

薄味料理はまずいと思っている人でも、このように調理法に様々な工夫を取り入れれば食べる楽しみの幅が広がることでしょう。