便秘と下痢と痔の関係

便秘と痔の関係

痔を引き起こす原因の多くは「うっ血」にあります。「うっ血」とは何でしょうか。便秘や下痢とどのような関係がありますか。まず、「うっ血」についてですが、これはさまざまな原因で静脈の血の流れが悪くなり、血液が血管の中に多くたまった状態のことをいいます。

輪ゴムで指の先を固く縛ってみると指の先はどうなりますか。輪ゴムの作用で血液の流れが滞り、指の先に血液が流れなくなります。そのため、指先の色は紫色に変色してゆきます。この血液の流れが滞っている状態が「うっ血」なのです。うっ血は静脈のあるところ、つまり、体中どこにでも生じ得ます。それがお尻に生じた場合、痔へつながるわけです。

便秘でうっ血

排便時にいきむと血管にかかる圧力は200mmHgにもなります。140mmHgを超えると正常ではない状態、「高血圧」といわれていますから、200mmHgはかなりの圧力であり、これが脳の血管であれば破裂してもおかしくないような数値です。

圧力がかかった時間が長ければ長いほど、また頻繁であるほど、そこの血液の流れが悪くなってしまいます。便秘の場合、便が腸内に長くとどまっている間に水分が奪われ、カチカチに硬くなってしまいます。

硬い便を無理に押し出そうといきむときに強い圧力がかかり、うっ血が生じやすくなります。うっ血して腫れたお尻の組織細胞が「いぼ痔」へ、また、硬くなった便が粘膜を傷つけて出血する「切れ痔」へなってしまうわけです。

下痢でうっ血

下痢の場合はどうでしょうか。下痢の場合、通常の場合と比べて、便がやわらかすぎる状態になっています。そのため、漏れ出さないように、肛門の筋肉が普通以上に頑張っています。

身体のどの部分でもいえることですが、筋肉が軟らかいときは、血流は正常ですが、筋肉が頑張ると血液の流れは悪くなります。つまり「うっ血」状態です。

便秘時と同様、うっ血状態が続くと、「いぼ痔」になりやすくなります。下痢の時は、水のような便が激しい勢いで肛門を通過します。その刺激で肛門が傷つき、切れ痔になることもあります。

姿勢・回数

便秘にしても、下痢にしてもそうですが、通常よりトイレの時間が長くなったり、回数が増えたりします。この、長時間の排便姿勢は、姿勢そのものが肛門への負担をかけます。また、お尻を冷やしてしまうので、うっ血が生じやすい状態です。そういう状態が多いとそれだけ痔へ発展する可能性が大きくなってしまうのです。

生活の中でうっ血を防ぐ

トイレだけに限らず、たとえば長時間のデスクワーク、草取りなどで長時間同じようなしゃがんだ姿勢でいること、公園の冷たいベンチで座ってお尻を冷やすこと、立ちっぱなしで動作することなどは肛門のうっ血を促進してしまいます。

肛門のうっ血を良くするには、長時間の同じ姿勢を避けたり、運動したり、お風呂に入るときにシャワーだけでなくしっかり湯船につかって下半身を温めたり、腰にカイロを貼って血流を良くするといった方法があります。

痔に優しいとされるドーナツ型のクッションがありますが、あれはお尻から出てきたいぼ痔が直接イスに触れることがないので痛みが減少されるというものです。長時間座っていると同じようにお尻に圧がかかり、うっ血してしまいますので、痔の予防にはなりません。