痔 排便後、ペーパーに便が何回もつく

トイレットペーパー

痔の予防、改善に便秘対策は重要です。便秘にはいくつかの種類があって、その中に「直腸性便秘」と呼ばれるものがあります。排便後、ペーパーに何度も便がつくのはこの便秘が関係しています。

なぜ何度も便がつくかというと、全部出し切れていないからです。まだ肛門の中に残っているのです。ですから当然、排便しても残便感があります。直腸性便秘は肛門までやってきた便を排出する能力が低下した便秘なのです。

どうして直腸性便秘になる?

これには便意があってもトイレに行く時間がなかったり、便意を無視し続けていることが関係しているようです。ですから直腸性便秘は、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多いと言われています。人間の便意とは本当に不思議なもので、我慢をすればなくなってしまいます。

便意がなくなれば、便を出そうとせず、便は体内に残ったままになってしまいます。そういう状態が続くと、身体が「直腸に便がある状態」に慣れてしまいます。悪い意味で身体が順応し、便があるのが普通だと勘違いしてしまうわけです。

本来であれば、「直腸に便がたまっていない状態」が正常です。だからこそ、肛門まで便が降りてきたら脳に「便がきた」信号を送り、私たちは便意を感じて排便するのです。排便されるべきものが残っていると、ろくなことがありません。

長時間、腸内に便が残ったままでいると、便に含まれている水分が身体に吸収されてしまいます。水分を失った便は硬くなります。水分を含んでいる便は柔らかく、排便を容易にするのに対し、水分を失った硬い便は、なかなか出てきてくれません。

また、長期間便が腸内にとどまることで、有毒ガスや、発がん物質などを発生させ、大腸がんの危険性も増大させてしまうという、やっかいな状態なのです。この直腸性便秘は、便意を我慢すること以外にも、下剤や浣腸の誤用・乱用により、もともと備わっている排便能力が低下したゆえになることも原因のひとつです。

ご飯を食べましょう

ご飯の画像

2010年04月21日に放送されたNHKのためしてガッテン「頑固な便秘が治った!腸スッキリ最新対策術」によると、この直腸性便秘にはご飯が効果的との放送がなされています。4000人近い日本人女性の食生活を調べたところ、ご飯の摂取量が少ないグループに比べて、摂取量が3倍多いグループでは便秘の割合が4割も少なかったとのことです。

たしかにパン食の時と、ごはん食の時と比べると、ごはん食の時のほうが便通が良いような気がします。便が固くならないよう、水分補給は便秘対策に大切ですが、水分をそのまま摂取しても多くは胃や小腸で吸収され、ほとんど大腸まで到達しません。

一方、ご飯は消化されつつも水分を保持したまま大腸に至り、便を軟らかくする効果があるので効果が出ているのではないかと考えられています。ここはひとつ、直腸性便秘に良いものと意識してご飯を食べてみるのはどうでしょうか。ただし、人によって合う・合わないの差がありますから、自分に合わないように感じたら他の方法に切り替えましょう。

とりあえず、決まった時間にトイレに入る

この直腸性便秘は便が肛門付近まできているのにその状態に慣れてしまって、脳に信号を送らなくなっており、それに伴って排出能力が低下している状態です。本当ならば便意がきて、トイレにいくわけです。毎日何かを食べているわけですから、便意はこなくても出すものはあるはずです。

ですから、とりあえず、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけましょう。便意がきたときにはできるだけ我慢しないようにするのは重要です。便が出ないからといって、下剤や浣腸といった人工的な手段に安易に走るのをやめ、身体が持つ本来の状態に戻るような方向性が大切です。

根本的な解決を

ペーパーでお尻を何度も拭きたくなるのは理解できることです。お尻に便が付いていると思うと気持ち悪いものです。しかし、本当の解決策は、ペーパーで便がつかなくなるまで何度も拭くことではありません。

肛門に付いている便をウォシュレットできれいに洗い落とすのも直腸性便秘の解決にはなりません。直腸性便秘さえ治れば、ペーパーで拭いても便がほとんどつかないほど、すっきりと出るのです。

肛門科で専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。経験と理解ある専門医ならば、直腸性便秘の解決へと共に歩んでくれることでしょう。