痔 とにかく痛い「血栓性外痔核」

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「とにかく痛い痔」でよく診断されるのは、「血栓性外痔核」「肛門周囲膿瘍」「嵌頓(かんとん)痔核」です。「血栓性外痔核」は血豆で数日から一週間くらいは強い痛みを伴います。

「肛門周囲膿瘍」は、膿があり、突然おしりにおできのような腫れ物ができて、痛みます。

「嵌頓(かんとん)痔核」はいぼ痔が肛門に挟まれて首絞め状態なので、ズキズキとした、強い痛みを伴います。

上記の3つの病気はお尻にしこりやできものができますが、痛みを伴うのが特徴です。ここでは、「血栓性外痔核」に注目して考えます。

症状

「血栓性外痔核」は血流が悪くなることに基づく「血豆」ですから、もともと痔を持っていない人でも突然発症することがあります。大きさは人それぞれですが、よくあるのは、えんどう豆や小豆のような丸いかたまりができます。

血豆は1個のことが多いのですが、時には複数個のこともあります。それが何かの拍子に破れると中から血の塊が登場し、出血することもあります。

同じ「痛い」でも、切れ痔やいぼ痔の痛さなど比べものにならないほどの痛さです。経験者はお尻が「爆発」したという表現を使っているほどの痛さです。触ったり、何かに当たると痛いです。

しかし、不思議なことに、便を出すときは痛くありません。ただ、お尻を拭くときに痛いです。身動きとれない、言葉を発するのもできないほどに、生活に支障がでます。

ただし、中には痛みが全く感じなかったり、違和感程度だったりする人もいます。痛む期間は、ほとんどの場合、数日から一週間くらいです。人によっては長引くこともあります。

この病気はお尻の病気の中では発生頻度が高いので、特に珍しいことではありません。ただ、専門の医師でないと見極めが難しいことがあるようです。

きっかけ

ゴルフ
基本的に肛門に一時的に急激に負担がかかったときに発症します。

便秘で無理に出そうとして、つよくいきんだだけでもできることがありますし、下痢で何回もトイレに行ったり、長時間入っている時にお尻に負担がかかり、できることがあります。

お酒がきっかけになることがあります。お酒は体を冷やし、血の巡りを悪くするので、お尻の血流が悪くなり、うっ血(血の流れが停滞してしまうこと)が生じて、血豆ができてしまいます。できた血豆が血栓性外痔核です。

お酒をよく飲む機会…新年会、忘年会、飲み会、花見などは要注意です。日常生活の中で重い荷物を急に持ち上げた時になる場合があります。急に重い荷物を持つと腹圧がかかります。ゴルフなどのスイングをしたときに強い腹圧がかかり、瞬時にできることがあります。

あと、ただの「冷え」が原因になることがあります。冷えがお尻の血流を悪くするので、血の流れが滞り、血がかたまりとなって、血栓性外痔核になります。ですから、冬に多く発症します。また、お尻に負担のかかりやすい妊婦さんなどにも発症することがあります。

他の痛い病気との違い

脱肛(肛門内側にあるいぼ痔が大きくなって外にでてくること)はもともと中にできたものですから、押しこむのが正解の場合もありますが、血栓性外痔核は外にできたものです。痛みがぜんぜん違います。

ただ、両方できている人もいるので、見極めが難しいかもしれません。「嵌頓(かんとん)痔核」はもともといぼ痔を持っている人しかなりません。肛門の内側にできたいぼ痔が大きくなって肛門の外に出てくる場合があります。(脱肛)

出てきたいぼ痔が肛門に挟まれたまま首絞め状態となり、挟まれている部分で血の流れが止まり、腫れあがる状態です。指の先を輪ゴムで強くとめたら、指の先はどんどんおかしくなります。それと同じ状態です。ですから、嵌頓痔核は根本が肛門の内側にあります。血栓性外痔核は外側にあります。

「肛門周囲膿瘍」は、膿があり、放っておけばどんどん膿がたまりますから、痛みが日ごとにひどくなるのが特徴です。発熱を伴う場合もあります。

対処

痔というと、何でもかんでも「肛門の中に押し込んだらいい」とアドバイスする人がいますが、これは、もともと外にできたものです。だから「血栓性外痔核」です。中から出てきたものではないので、押して入れようとすると、入るかもしれませんが、また外にでてきます。

触ったり、すれたりすると、刺激でよけいに痛くなり悪化するので、触らないようにしましょう。冷やしたらいいか、温めたらいいかというと、冷やしてはダメです。

もともと血の流れが悪くなってできたものなので、冷やすとよけいに流れが悪くなり悪化します。患部を冷やさないようにしましょう。カイロを腰のあたりに貼ったり、ゆっくりとお風呂につかり、温めて血流をよくするのが効果的です。
お風呂にゆっくりつかりましょう
基本的には痔の軟膏を塗っても血栓が溶けるわけではないので、痛みは変わりません。痛み止めの軟膏を塗ったり、痛み止めを飲んだりして対処します。

手術なしで治る

「血栓性外痔核」の「血栓」は血が固まって栓のようになったものです。一般的に言う「血豆」です。血豆ができたことのある人ならわかると思いますが、放っておけば血栓が溶けて勝手に治り、跡形もなくなります。

個人差はありますが、血栓は1ヶ月ほどで大抵は溶けてなくなってしまいます。ですから、痛みが数日から一週間くらいで、だんだん楽になり、腫れが1ヶ月ほどでなくなります。ただ、痛みが尋常ではないので、我慢できなければ、医師から処方された痛み止めが助けになるでしょう。

切らなくても治りますが、手術することもできます。切って中から血栓を取り出せば、その場で大きな腫れがなくなるので、すぐに楽になることが多いです。ただし、傷跡は残りますし、処置がまずいと化膿してさらに悪化することもあります。

再発

血栓はオシリに負担をかければ何度でもできてしまいます。なった時と同じような状況を避けるようにしましょう。