痛風の合併症 腎不全と尿毒症

痛風の重み
尿酸が腎臓を苦しめる

体内の尿酸は腎臓に集められ処理されますが、痛風や高尿酸血症にかかる人の多くはこの腎臓の尿酸排泄機能低下が関係しています。痛風や高尿酸血症が腎臓をさらに機能低下させてしまうことがあります。

腎臓機能低下

痛風やその前段階である高尿酸血症の治療をほうっておくと、処理しなければならない尿酸が多くなり、腎臓への負担が大きくなります。

腎臓の処理能力を超えてしまった尿酸は結晶化し、結石をつくるだけでなく、腎臓組織へも沈着し、腎機能低下を招きます。それを「腎障害」と呼びますが、合併症の中でも、特に痛風と関連があるのがこの腎障害です。

全体の約30%

このように、痛風によって起きる腎障害を「痛風腎」といいます。かつては、この痛風腎による腎不全と尿毒症が痛風の合併症の死因トップを占めていました。この腎障害は痛風患者の約30%にみられます。痛風患者でなくとも、高尿酸血症の人に生じている場合もあります。

13-2

見つかりにくい

痛風腎になると、尿酸ナトリウム結晶が腎臓の奥のほうにある髄質という所にたまるため、一般の腎機能検査では見つかりにくいのが特徴です。

また、腎機能が3分の1以下に低下しないと自覚症状がでないため、発見が遅れることがよくあります。早期発見のためには、尿や血液検査をきちんと行うことです。

悪くなると回復しにくい

腎臓は、血液をろ過し、体内の老廃物や不要物を収集してその中から必要なものがあればそれだけ取り出し、後は排出するという重要な役割を担っています。一度悪くなると回復が難しいといわれていますから、ぜひ大切にしましょう。

痛風による腎機能低下は早い段階であれば尿酸値のコントロールで改善しますので、医師の指導によく従いましょう。

腎不全から尿毒症へ

痛風や高尿酸結晶による合併症である腎障害を放置しておくと、さらに症状が進み、腎機能が極端に低下して「腎不全」という病気になります。

これは、体内の不要物、老廃物を処理してくれる腎臓が機能低下することを意味し、体の中がゴミだらけになるようなものです。

こうなると、体内に蓄積された老廃物が中毒症状をひきおこします。そのような状態を「尿毒症」といいます。尿毒症になると、尿の量が減り、顔色は土色になって下肢にむくみが生じます。

かつては痛風患者の死因のトップをこの尿毒症が占めていたほど、恐ろしいものなのです。現在では医学の進歩により、命を落とすケースは減少しました。このように、腎臓は大量の尿酸によりやられます。

ほうっておいても、病気は進行してゆくのに自覚症状は出てきません。自覚症状がでるころにはかなり進行していますので、痛風や高尿酸血症になったら要注意です。

綱渡り

かつては痛風患者の死因のトップを尿毒症が占めていた

進行段階

腎臓の機能低下、腎障害から腎不全、尿毒症までは一連の進行段階で、4つの時期にわけることができます。

第一期 腎臓の予備能力の低下

自覚症状はありませんが、腎機能の予備能力がかなり失われ、余裕がなくなります。腎臓の血液ろ過機能・老廃物の処理機能が正常時の50~70%に低下します。

第二期 腎機能の低下期

腎臓のろ過機能は正常時の30~50%に低下します。このころになると、喉の渇き、夜間頻尿や軽度の貧血などの症状があらわれます。

第三期 腎不全期

腎臓のろ過機能はさらに低下して、正常時の10~30%になります。だるさや疲れ、口臭、吐き気という症状がでます。

第四期 尿毒症期

腎臓のろ過機能は正常時の5~10%にまで落ち込みます。不要物、老廃物を体外へ排泄できないため、体内に有害な物質が蓄積される状態です。こうなると、尿はほとんどでなくなり、思考力は低下し、頭痛、不眠などがあらわれます。そのままでは命にかかわるため、人工透析か腎臓移植などの大掛かりな処理が必要になります。