痔 お尻がかゆいのはなぜ?

お尻がかゆいのはなぜ?

とにかくかゆい!

肛門付近がかゆくなる病気をまとめて「肛門そう痒(よう)症」と呼びます。老若男女を問わず人口の約5%に発生し、男女比はおよそ2対1と、男性に多くみられます。ですから100人のうち、5人がこの症状に悩まされている割合です。

1000人いれば50人、1万人ならば500人、日本の成人は1億人と言われていますから、そのうち500万人の人のお尻がかゆいという計算になります。

なんともすごい人数のお尻がかゆい状態です。右を見ても左を見ても、日本中お尻がかゆい人だらけです。これはただ事ではありません。お尻がかゆいのには様々な原因があります。ここではかゆい原因にどのようなものがあるのか、大きく分けて説明しています。

かゆいのはなぜ?

考えられる原因1「肛門疾患」

これはその人がもっている、いぼ痔や切れ痔、痔ろう、肛門ポリープ、直腸脱、脱肛などの肛門疾患による皮膚刺激、分泌物などが誘因となってかゆみが生じるものです。

考えられる原因2「不衛生」

拭き残った便の付着、また、下痢や頻便で肛門部が湿った状態になり、それが便の刺激を引き起こすことによりかゆくなることがあります。お尻を清潔にしましょう。

考えられる原因3「過剰衛生」
肛門をきれいにするのは大切なことですが、かといってウォシュレットの水圧・温度・時間が過度になったり、ペーパーで拭きすぎたり、お風呂で洗いすぎたりして、過剰衛生になることがあります。こうして、皮膚がやられてしまうことによりかゆくなります。

かゆいのは肛門を不潔にしているからとさらにウォシュレットで何分も洗ったり、勢いを強くしたり、何度も拭いたりとさらなる悪循環に陥ることもあります。清潔を通り越して潔癖にならないよう注意しましょう。

考えられる原因4「局所刺激物」

石鹸やクリーム、軟膏、トイレットペーパーの色素などが人によっては刺激となり、かゆくなることががあります。

考えられる原因5「食べ物」

一部の食品は皮膚を刺激する酵素を発生し、その食物が未消化のまま肛門を通過するときにかゆみが生じると考えられています。例えば、ビール、香辛料、柑橘類、コーヒーや紅茶やジュースなどのカフェイン入り飲料などがあります。

考えられる原因6「生物」

これには、蟯虫(ぎょうちゅう)や疥癬(かいせん)などの寄生虫、ヘルペスや尖圭コンジロームなどの性感染症、カンジダ菌や白癬菌(水虫の菌)によるものがあります。

考えられる原因7「皮膚疾患」

―アトピー性皮膚炎―

皮膚疾患の代表的なものが「アトピー性皮膚炎」で、それがたまたまお尻にも発症してしまう場合があります。

アトピー性皮膚炎をもともと持っている人が、ストレスなどの心因性のものやダニ、ほこり、食物、衣類などのアレルギー的なもの、また、温度、湿度、発汗、乾燥、かきむしるなどの刺激によりかゆくなります。

―乾癬―

乾癬(かんせん)は、慢性の皮膚角化疾患です。典型的な症状として、、周囲の皮膚から少し盛り上がった皮膚に赤い発疹ができ、その上に、銀白色のフケのようなものが付着し、ポロポロとはがれ落ちる皮膚の病気です。その他、湿疹、脂漏性皮膚炎などが肛門周囲に発生することによりかゆみが生じます。

考えられる原因8「全身疾患」

これらはかゆみを伴うものですが、特にお尻だけがかゆいということはまれで、大抵の場合、他の箇所もかゆくなります。たとえば、糖尿病、肝疾患、悪性腫瘍、甲状腺機能亢進症などの病気が原因でかゆくなることが考えられます。

考えられる原因9「かいてしまうことによるによる悪循環」

体のどこの部位でも言えることですが、かゆいと当然かいたり、こすったりしてしまいます。それがさらに皮膚を傷つけ、出血などにより傷をひどくしたり、傷から細菌感染したりしてさらなるかゆみを引き起こしてしまいます。

ここに挙げたのはよくある代表的なものです。かゆくなるのには様々な原因があることがお分かりいただけたと思います。かゆみというのはひとつの症状の表れであり、対処すべきなのはかゆみでなく、その原因です。

かゆみを軟膏などで抑えてもそれは表面的・一時的な対処をしたにすぎず、かゆさの原因をやっつけない限り、またかゆみは戻ってきます。自分のかゆみの原因がどこからきているのか、まず見極めることが大切です。