痛風 激しい運動は尿酸値を上昇させる

激しい運動のスポーツ選手には痛風の人が多い

スポーツをしている人がみな健康で、痛風とは程遠い人というイメージがあるかもしれません。しかし、実際にはスポーツ選手が痛風に悩まされている例は意外と多いのです。

痛風になった人とそうでない人を比べると、痛風の人のほうがスポーツをよく行なっているというデータがあるほどです。

激しい運動

なぜ激しいスポーツをする人に痛風が多い!?

なぜ激しいスポーツをする人に痛風が多いのでしょうか。スポーツで体を激しく動かすことにより、筋肉を中心に臓器器官の新陳代謝が活発になります。そのため、通常よりも早いスピードでプリン体が作られ、筋肉の尿酸が一時的に過剰状態になります。

つまり、短時間で体内に尿酸が蓄積され、痛風発作などを起こしやすい状態になるわけです。また、運動量が多いと汗をたくさんかきますが、発汗作用によって体内の水分が不足すると腎臓から尿酸が排泄されにくくなり、尿酸値が上昇します。

普段あまり運動をしない人が激しい運動をした場合、尿酸値が2倍近くも上がることがあります。痛風のためによかれと思ってやったスポーツが、逆に尿酸値を上昇させ、痛風を悪化させてしまうということがあり得るので注意が必要です。

「運動はしないほうがいい」は間違い

激しいスポーツはこのように痛風に逆効果ですが、スポーツをしないほうがいいというわけではありません。

尿酸値を上昇させる肥満対策や合併症による心臓や脳の血管障害を防ぎ、身体の健康に大きく寄与するため、ぜひ運動は行いたいものです。

どんな運動がその人にぴったりか、個人差や好みがあるため一概には言えませんが、一般には「適度な運動」を長期間継続して行うのがベストです。

食欲がなくなるほどの運動やついつい競争になりがちなスポーツ、たまにしかできないような運動や心臓や足腰への負担の大きいスポーツは痛風の運動療法には向いていません。

軽い運動で尿酸値を下げる

ゆったりとした軽めの運動(有酸素運動)は尿酸値を下げる効果と肥満解消に役立つ効果があります。そのしくみについて無酸素運動と対比させながら考えてみましょう。

運動するときに必要とされるエネルギーは、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が分解され、ADP(アデノシン二リン酸)に変化する過程で獲得され、エネルギーの燃えカスであるプリン体は尿酸として排泄されます。

このエネルギーを作る過程ですが、有酸素運動と無酸素運動には違いがあります。

有酸素運動は「ATP→ADP→ATP→ADP…」というように、生じるパワーは少なめですが、ATPをADPに再合成し、繰り返し使用するためプリン体をあまり作り出さず、尿酸値を上昇させません。

それに対し、無酸素運動は「ATP使い捨て型」です。生じるパワーは大きいですが、「ATP→ADP→プリン体…」と通常より早い速度でプリン体を作り、どんどん放出するため、筋肉の尿酸が過密状態になり尿酸値が上昇します。

ですから、痛風のためによいのは軽めの運動である有酸素運動ということになります。

ウォーキング

運動の効果が現れるのに2~3ヶ月かかる

肥満解消や尿酸値を下げるために運動をおこなうのであれば、たまに体を動かす程度では効果が期待できません。

運動の効果が現れるまでには、はやくても2~3ヶ月はかかります。ですから、長く続けて行けるような自分に合った運動をおこなうのがよいでしょう。運動を長く続けるための秘訣にはどのようなものがあるでしょうか。

運動を長く続けるための秘訣

・自分の生活に無理なく組み込める

・自分にあった強度に調節できる

・苦痛を感じない

・一人でもできる

・天候などの外的条件に左右されにくい

・特定の設備や器具がなくてもできる

・経済的な負担が少ない

・だいたい決まった日や時間に行う

さまざまな運動のポイントと注意点

ウォーキング
ウォーキングは良い運動のすべての条件を満たしているといっても過言ではありません。できるだけ1回に20~30分以上継続して行うのが良いでしょう。

水泳
スイミングは足腰への負担が少ないのが魅力です。泳げない人でも、水中をあるくだけでも効果的です。ただし、競泳や潜水はおすすめできません。

スイミング
ジョギング・エアロビクス
有酸素運動でありながらなかなかハードで、エネルギー消費が大きく魅力的ですが、負担も少なくありません。軽めに行うと良いかもしれません。医師やスポーツインストラクターなどの指示のもとに行えればベストです。

サイクリング
公道を走る機会も多くなりので、交通量の多い道路やきつい上り坂、下り坂をさけながら楽しめるとよいでしょう。

テニス・ゴルフ
これも楽しみながらマイペースでできるかがコツとなります。競ってイライラするようではやり方の再考の余地がありそうです。

野球などの団体競技
マイペースでやりにくく、勝敗がストレスのもとになりかねません。好きでプレイする人にとっては、さわやかなスポーツでよいかもしれませんが、痛風対策の中心的な運動療法向きとはいえないでしょう。

ベンチプレス・ウエイトトレーニング

これは、血圧が一気に上昇し、心臓に大きな負担がかかります。高血圧の人や心臓に不安のある場合、要注意です。行う前に医師の確認をとってみるとよいでしょう。