痛風発作確率、尿酸値7で5倍、9で50倍

確率

尿酸値7以上でも痛風に襲われる人は1割」のページでもご紹介したように、尿酸値が高いなら必ず痛風発作に襲われるかといえば、そうではありません。

ご存知のように、痛風の激痛は人間が経験する痛みの中でもいつも上位にランクインするほどインパクトの強いものです。そんな激痛が、襲われる可能性の高い10人につき1人にしか生じないというのは、さも10人で行なうロシアンルーレットのようなものです。宝くじと違って、当たれば負けというわけです。

尿酸値が高くてもほとんどの人に激痛発作が来ないのであれば、のんきに構えておいてもよいのでしょうか。あの痛みを経験した人ならばわかるようにとても「のんき」な話ではありません。痛風の怖いところはいつ襲ってくるかわからないところです。

確率50倍

少々データが古いのですが、アメリカ人男性2046人を対象に、約15年ほど追跡調査した1987年に発表された痛風業界で有名な論文があります。

一般的に尿酸値が7.0mg/dL以上が要注意ラインとされていますが、これより低くても痛風になる人はいます。ただし、稀なパターンです。このアメリカで行なわれた調査においても、およそ15年のうちに対象となった2046人のうち0.1%の人が痛風発作に襲われました。(年間発生率)1000人に1人の割合です。

では、同じ期間に尿酸値が7.0mg/dL以上8.9mg/dL未満の高尿酸血症の人のうち、どれくらいの人が激痛発作に襲われたのでしょうか。その割合は0.5%でした。1000人に5人の割合です。

9.0mg/dL以上の要薬物治療レベルの高尿酸血症の人の場合は4.9%の人が痛風発作に襲われました。1000人に50人の割合です。

この調査結果より、尿酸値が7.0mg/dL以下の健康な人に比べて、7.0~8.9mg/dLの要注意ラインの人は痛風発作が起きる確率が5倍、9.0mg/dL以上のレッドラインの人は50倍になるということがわかっています。やはり尿酸値が高い人ほど、発作に見舞われる恐れは高くなります。

放置している人が多い

この痛風、日本においては予備群・潜在患者を含めると1600万人、つまり8人に1人が持っていると言われています。残念ながらその多くが放置している状態です。人間の自然な傾向なのかもしれませんが、事が生じてからでないとなかなか措置を施さないのです。本当のところ、予防に勝る治療はないのですが。

痛風は強烈な痛みが特徴ですが、痛みが生じないからといって、放置しておいて何一つ良いことはありません。動脈硬化、心疾患、腎障害、結石など他の多くの病を呼び寄せるからです。全体的に見て、治療しない痛風患者は治療する痛風患者に比べて寿命が短いことがわかっています。

生活習慣の改善と薬物治療はそんなに大変なことではありません。放置しておいて後々苦しまなければならないほうがずっと大変なのです。尿酸値が高いと診断された人、すでに高尿酸血症の人、放っておかず迅速に治療するようおすすめします。