薬のほとんど効かない頭痛

薬の飲み過ぎ

かつて効いていた痛み止めが徐々に効かなくなり、頭痛に連日悩まされることがあります。それは長期間にわたってほぼ毎日頭痛が起きる「慢性連日性頭痛」かもしれません。

慢性連日性頭痛は1日に4時間以上の頭痛が1ヶ月間に15日以上、3ヶ月以上続くものをいいます。慢性連日性頭痛は専門的には変容性片頭痛、慢性緊張型頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続性片頭痛の4種類に分類されます。この中で最も多いのが変容性片頭痛です。慢性連日性頭痛は割合でいうと少数ながら、出口の見えない痛みに悩まされている人は多くいます。

悪循環の加速したもの

片頭痛はもともと一部の神経や脳の異常活性化が原因で血管の異常拡張が起きてしまい、痛みが発生するというものです。適切な治療を行わないとこの循環が繰り返され、長期間にわたって悪化してゆきます。

この片頭痛が生じるしくみである「一部の神経・脳の異常活性化→血管の異常拡張→痛みの発生」という悪循環が加速することにより、変容型片頭痛となります。その周期がだんだん短くなり、連日のように頭痛を感じるようになるのです。

頭痛外来など、専門医にかかる治療を施せば軽減されるものの、市販の鎮痛剤や専門医ではない医師から処方された痛み止めでその場しのぎを繰り返している人が陥ってしまうようです。実のところ、痛み止めは血管を拡張させたり、薬が切れたときにリバウンドで脳の興奮性を増長させてしまうため、この変容性片頭痛を加速させてしまうのです。

薬物乱用頭痛との合併

変容性片頭痛は片頭痛の起きるメカニズムが異常に頻発し、短い周期で繰り返される状態ですが、これを安易に薬で抑えていると、やがて薬物乱用頭痛も併発するようになります。

薬物乱用頭痛に陥ると、痛みを抑えるはずの薬そのものによって痛みが誘発され、薬の有効時間が短くなります。以前よりも痛みに敏感になり、不安感も強くなり、余計に薬が手放せなくなります。

この2重の頭痛持ちになると、頭痛専門医でないと見極めや治療が困難な手ごわい頭痛となります。この悪夢のような2重の頭痛に陥らないためには、早い段階から素人判断で表面的な対処に甘んじないことです。きちんと治療すれば生活の質を低下させるこのつらい頭痛にならずに済みます。

また、すでにこの薬のほとんど効かない頭痛に苦しんでいる人でも、頭痛専門医による正確な診断と正しい治療を受けることによって回復することが可能です。薬物乱用頭痛の依存性から脱却するため薬を断ちますが、治療開始2週間はつらいかもしれません。しかし、薬物依存にハマってしまった脳を救うためには、痛みに関連した薬物を断つしかないのです。

治療では薬物乱用頭痛に関係した薬は絶たれますが、痛みをあらかじめ軽減する予防薬が用いられます。予防薬があるおかげで極限の頭痛に悶え苦しまずに済みます。実際、予防薬を服薬しているので、それほど辛くない人も多いようです。適切な治療さえ施せばこのやっかいな頭痛を退治することは可能ですから、あきらめないようにしましょう。