痔 ジオン注射(ALTA)のデメリットと副作用

ジオン注射法

いぼ痔の画期的な治療法として人気のジオン注射(ALTA)ですが、2005年より開始された歴史の浅い手術のため、どのような副作用やデメリットがあるのか、少しずつわかってきている状態です。ここでは、ジオン注射(ALTA)のデメリットと副作用について考えます。

臨床試験での副作用

臨床試験では次の副作用が報告されています。

発熱7%、血圧低下3%、頭痛2%、嘔気2%、食欲不振2%

また、投与後の合併症は次の通りです。

肛門部硬結78%、肛門部疼痛48%、排便困難21%

報告されている副作用

上記に加え、下記のような合併症・後遺症が報告されています。

・排尿困難、浮腫(むくみ)、肛門部が重いような違和感、直腸の潰瘍の形成

・注射から1~2年経っているのに、まだ肛門の奥に重だるい鈍痛

・以前のようにスムーズに排便ができなくなった

注射を受けれない人

脱出するいぼ痔を改善する「内痔核硬化療法剤」の製造販売会社・田辺三菱製薬株式会社によりますと、以下の方々は薬剤の特性上、治療が受けられませんと警告しています。

・妊娠している、または妊娠している可能性のある女性

・授乳中の女性

・小児(15歳未満)

・透析治療を受けている方

・嵌頓痔核(かんとんじかく)の方

・リドカインに対して過敏症の既往がある方(リドカインを含むALTA製剤を使用する場合)

以下の方々は、薬剤の特性上、治療にあたっては主治医とよくご相談するよう、勧められています。(慎重投与レベル)

・腎障害のある方

・高齢者または全身状態が不良の方

・心刺激伝導障害のある方(リドカインを含むALTA製剤を使用する場合)

・重症の肝機能/腎機能障害のある方

アルミニウムに対する心配

ジオンの主成分がアルミニウムである事を危惧する医師もいます。アルミニウムは、アルツハイマーの大きな原因の一つであり、医療現場では使用を避けることが多いです。

こういったアルミニウム製剤を、血管の塊ともいえる痔核に直接注入する事についてはどうでしょうか。

いぼ痔に注入された注射液は、当然、血管内にも入ります。やがて、肝臓や腎臓や脳にも流れてゆきます。微量とはいえ、そのリスクを心配する医師がいるのは事実です。

その他のデメリット

デメリット

再発率が高め

メーカーから公表されている1年後の再発率が約16%と再発率が高めです。(ただし、この数値は注射にまだ十分慣れていない医師が行った治療も含まれるため、実際はもう少し低めだと予想されます。)

16%というと、およそ6人に1人が再発する割合です。これに対し、50年以上に渡り安定した結果を出している痔の結紮切除術は根治性が高く再発率は3%以下です。

長い目で見た時、後遺症はどうなのか

ジオン注射(ALTA療法)は2005年より開始されたものなので、歴史がまだ10年そこそこしかありません。長い目で見た時、どのような後遺症が表れてくるのか現段階ではわかりません。

たとえば、かつて日本で普通に行われていた痔のホワイトヘッド手術(いぼ痔を根こそぎ切除する手術)は、手術直後から数年後~10年以上かけて、様々な後遺症が発生することがわかり、中止されました。

当時は良い手術法としてもてはやされましたが、今でもその後遺症に苦しんでいる人は多くいます。いつでも新しい治療法にはリスクがつきものなのです。

内側にあるいぼ痔にしか効かない

時々、勘違いしている人がいますが、ジオン注射は、肛門の内側にあるいぼ痔にしか効きません。切れ痔や痔ろう、肛門の外側にできたいぼ痔には効かないのです。

かゆみには効かない

これまた勘違いしている人が時折いますが、ジオン注射で治せるのは内痔核(肛門内側にあるいぼ痔)です。お尻がかゆいのはなくなりません。

ただし、いぼ痔が大きくなって、脱肛(肛門から出てしまう)して、肛門付近に粘液が触れるのでベタベタしてかゆいという場合は、いぼ痔をジオン注射でやっつけることによって、かゆみもなくなります。

お尻がかゆいのは大抵の場合「肛門掻痒症(こうもんそうようしょう)」です。肛門掻痒症はジオン注射では治りません。

腕の悪い医師による注射を受けると…

「注射で治ります!すぐ出来ます。日帰りでOKです!痛みも何もないです。」切開手術ではなく、注射なので、気軽に受けれます…と詳細な説明のない病院は注意です。同じ注射でも予防接種と訳が違います。腕の悪い医師による注射を受けると、副作用・後遺症の確率が上がります。

ジオン注射法の効果を説明するだけでなく、副作用や合併症・後遺症についても詳しく説明くれるかどうか、また、こちらの質問にわかるまで答えてくれるか見極めましょう。それが腕の良い医師かどうかのひとつの判断材料になります。

覚悟して臨む

あまり知られていませんが、これは死亡例が存在するほどの治療法です。危険性を考慮し、ジオン注射法を中止した病院もあります。自分が受けようとしている治療がどのようなものかある程度知るようにしましょう。

リスクを受ける覚悟がないまま治療を受けた場合、後悔することになるかもしれません。万が一、副作用や後遺症が出た場合、苦しむのは医師ではなく、ジオン注射を受けた本人なのです。