こどもも痔になる

子供も痔になる

痔は大人だけのものではありません。こどもでも、幼児でも年齢を問わず痔になります。ここでは、幼児が発症する痔について考えてみます。

まず、1歳までに多いのが痔ろうです。幼児の肛門の縁から細菌が入り、それがトンネルを作ってしまいます。トンネルの出口が炎症で赤く腫れるため、オムツかぶれと間違われやすいようです。

手術は必要ない

大人の痔ろうと違うのは、手術の必要性がないという点です。大人の痔ろうの場合、たいてい手術しないと治りません。しかし、幼児の痔ろうは成長過程で自然治癒するケースがほとんどです。

もし、学童期に入っても自然治癒しない場合、膿で下着を汚したり、匂いがありますので、手術して完治させるという方法を取ることが多いです。

2~4歳は切れ痔が多くなる

2~4歳になってくると、食べ物の好き嫌いがはっきりと表れてきます。その種類によっては、食物繊維が不足したり、水分が不足したりするので、便秘を引き起こします。運動が腸の働きを活性化するので、家でじっとしているか、外でよく動くかといった要素も関係してきます。

便秘になると、硬い便の排出が肛門の皮膚を傷つけ、切れ痔を生じさせることになるのです。切れ痔ですから、たいてい出血を伴います。量は個人差があります。切れているときは炎症で赤くなって腫れ上がって、触ると痛かったり、腫れて硬かったりします。(幼い子が痛がっているのはいつ見てもかわいそうですね)

この切れ痔、治ると腫れがひいてやわらかい皮膚のたるみになります。ただ、切れ痔を繰り返すとこのたるみができて、皮膚が突起したようになり、見張りいぼを生じさせることがあります。この「見張りいぼ」、名前に「いぼ」と入っていますが「いぼ痔」ではありません。切れ痔のいわば跡です。

肛門を見た時に見えるものなので、イボ痔と間違いやすいのが特徴です。病院にいけば、経験ある先生ならすぐに診断してくれるはずです。切れ痔は、痔の軟膏だけでは根本的には治りません。痔の軟膏に加えて、もともとの原因である便秘の治療が必要です

おそらく、病院で痔の軟膏や便の水分を増やして便をやわらかくする飲み薬を出してもらえると思います。

粘膜脱症候群

これくらいの年齢だと肛門を広げたり縮めたりする肛門括約筋が未発達のため、いきむことにより直腸の粘膜が肛門から出てきてしまうことがあります。

これは、「粘膜脱症候群」(ねんまくだつしょうこうぐん)と呼ばれるものです。これら幼児の切れ痔や粘膜脱症候群は手術が必要になることはほとんどありません。成長とともに自然治癒していくことがほとんどです。

できること

子どもが痔で苦しまないためにどんなことができるでしょうか。子供が便秘ぎみにならないよう、食事に気をつけることができます。乳児では、糖水や果汁、それ以降なら、繊維質の野菜、豆類、海藻類を多く与えます。もちろん、水分補給も忘れないようにしましょう。

2歳半~3歳ごろからは、食事後5~10分後にトイレに行かせるようにして、トイレ習慣を作りましょう。運動は腸を活性化しますので、よく遊んで体を動かす生活は大切です。薬物療法はお医者さんの出番になります。

痔は大人だけのものでないことは肛門科の専門医がよく知っています。ですから、病院は肛門の専門医がいる「肛門科」がいいでしょう。肛門科が近くになければ小児科でも大丈夫です。専門医は心得ていますので、あまり心配せず、早めに病院に行くようにしましょう。