片頭痛をできるだけ生じさせないような工夫

避ける

片頭痛と上手に付き合っていくためのポイントは、片頭痛そのものを完璧に消滅させることではなく、誘発・増悪要素を可能な限り遠ざけておくことです。これらの要素が複数重なってしまうと頭痛の発生確率がかなり高まってしまうため、よく知って、できるだけ避けることが大切です。具体的にはどのような点に注意することができるのでしょうか。

ストレスに注意

仕事や人間関係、疲れすぎなどでいっぱいいっぱいになってしまうことは誰にでもあります。私たちの身体は、ストレスをためたり解放したりを繰り返しています。人間の身体はストレスに対処しているとき、血管が収縮していますが、ストレスから解放されたときには血管が拡張するという特性があります。そのとき、血管周辺の神経を圧迫し、痛みが発生します。

ですから、日頃からストレスのたまりすぎにならないよう留意しておくことができます。振り幅を一定の範囲に抑えておくことにより、バランスを保てます。片頭痛持ちの人は完璧主義の人が多い傾向にあります。自分への期待や周囲への評価もほどほどにし、疲れすぎを防止することがポイントになります。

食事をきちんと摂取

片頭痛と食事にはどのような関係があるのでしょうか。空腹時には身体が低血糖になっています。低血糖になると、身体は血流を増やしてカバーしようとするため、血管が拡張して片頭痛の引き金になります。

ですから、普段から規則性のある食事を取る習慣を身につけておきましょう。たとえば休みの日、遅くまで眠っていて、朝食を抜くといったことがあるでしょうか。低血糖による片頭痛の原因になるので、良い休日を過ごすために多少めんどうでもパン1枚でもよいので頬張るようにしましょう。

誘発因子となる食べ物

片頭痛を誘発する食べ物があります。個人差やそのときの体調によりますが、よくいわれるのが赤ワインやチョコレート、チーズ、ハム・ソーセージ(亜硝酸ナトリウム)、味の素などの調味料(グルタミン酸ナトリウム)などがあります。

甘いものが好物で、よく食べる場合、血糖値の急激な上下を引き起こします。血糖値が上昇するときはよいのですが、急激に降下したあと、身体が血流増加でカバーしようとするため、血管が拡張し、頭痛の要因になることがあります。片頭痛の前に甘いものが無償に食べたくなる人は要注意です。

片頭痛持ちの人は一度、自らの食生活を振り返り、頭痛が生じた時に口にした食べ物との関連性を考えてみることができます。「もしかして…」と思い当たる食品があった場合、それを食べ過ぎないようにして誘発因子を遠ざけておきましょう。

逆に、片頭痛の頻度を減らすとされる栄養素があります。それはマグネシウムとビタミンB2です。マグネシウムは大豆と豆腐などの大豆加工品、ひじきなどの海藻類、いわし、ごま、ほうれんそうなどに多く含まれています。

また、ビタミンB2は、レバー類、うなぎ、かれい、牛乳、ヨーグルト、納豆などに多く含まれています。ビタミンB2は実際に治療法にも取り入れられており、継続的に服用することにより、片頭痛の頻度や持続時間、痛みの軽減などに役立っています。

その他の要因

そのほか、片頭痛を引き起こす要因には人混みや特定の乗り物、換気の悪い場所、お酒、強い光(直射日光やLEDライト)、騒音、気圧、強烈なにおいなどがあります。月経など、どうしても避けられない要素は止むを得ませんが、自分の片頭痛がどの環境要因に弱いのか知っておき、できる範囲で避けることが大切です。

「来そうだ」と感じたら

頭痛と長年付き合っていると、前兆を感じ取れるようになります。閃輝暗点など、わかりやすい前兆もありますが、言葉で説明するのが難しいものの、なんとなく頭痛が来るのがわかるという人は多くいます。頭痛はできるだけ早い段階で対処すればするほど楽です。

たとえば、血管が広がりすぎるのを防ぐために、コーヒーや紅茶などでカフェインを摂取することができます。カフェインには血管収縮作用があるからです。ただし、摂り過ぎると逆に頭痛を招きますから注意しましょう。

血管が拡張しそうな要素を避けることも考慮できます。一般的に身体に良いとされている入浴やマッサージなど血行が促進されるものは、片頭痛に関連して言うなら避けたほうがよいでしょう。暖めると血管は拡張しますが、冷やすと血管は収縮するという性質があります。

リラックス効果も兼ねて、アロマオイルを楽しむのも選択肢です。拡張した血管を収縮させてあげましょう。冷却作用と鎮痛作用を併せ持つペパーミント、鎮痛作用のあるカモミールやラベンダーなどを用いることができます。

もし片頭痛が始まってしまったら、基本的には静かな薄暗い部屋で安静にしていることが助けになります。片頭痛時は、光や音に普段より敏感になっており、体を動かすことで痛みが増幅しますから、安静がポイントです。

また、「冷やす=血管収縮」のシステムを利用して、こめかみや額、後頭部、首の血管の拍動しているところを氷、冷やしたタオル、冷却シートなどで冷やすことが役立ちます。ちなみに、片頭痛と緊張型頭痛では対処の仕方が逆なので要注意です。頭痛だからと一括りにしてしまうと症状が悪化してしまいます。片頭痛は冷やす、緊張型頭痛は温めるが基本の対処法です。