痛風 尿酸は老廃物でありながら抗酸化作用を持つ

りんごの酸化

尿酸はこのような酸化を防いでくれる

痛風の原因となる尿酸は体内にたまりすぎると激痛をもたらします。では、なぜそもそも尿酸がたまるのでしょうか。

ここでは、尿酸がたまる理由や尿酸の有益な面、多すぎる尿酸の害について注目しています。

尿酸がたまるのはなぜ?

尿酸は肝臓で作られます。肝臓で作られた尿酸は腎臓へ運ばれます。尿酸は身体の老廃物なので、体のゴミ処分場ともいえる腎臓へ運ばれるのです。尿酸はそこでろ過されて尿へ出ます。

ろ過された尿酸が尿へすべて出るかといえばそうではありません。「尿酸トランスポーター」と呼ばれるものにより体内へ再吸収されているのです。尿酸の排泄は尿酸トランスポーターにより制御されているともいえます。

この尿酸トランスポーターの働きにより、排出されようとしていた尿酸のうち、約9割が回収されます。ですからわたしたちの身体から排出されている尿酸は体内の尿酸のうちの1割ほどです。

この尿酸トランスポーターの働きがあるゆえに体内に尿酸がたまる仕組みとなっているのです。

尿酸は老廃物でありながら抗酸化作用を持つ

尿酸が老廃物であれば、再吸収することに何のメリットがあるのでしょうか。

実は尿酸は老廃物でありながら、抗酸化作用を持っています。抗酸化作用物質はガンなどから私たちの身体を守ってくれる大切な仕事をしてくれます。つまり、尿酸は捨てるには惜しい老廃物なのです。

人間以外の多くの生き物は自らの体内でビタミンCをつくることができます。しかし、人間にはそれができません。ビタミンCには抗酸化作用がありますが、それを体内で作れない代わりに尿酸が抗酸化作用を担っているというわけです。

尿酸も痛風の原因物質ですが、決して悪いことばかりではないのです。程よい量の尿酸は体にプラスとなります。

尿酸値が高いことの害

問題は多すぎる尿酸です。それにはどのような害がありますか。

まだ動物実験の段階ですが、尿酸が血液中に多いと、血管の細胞が尿酸を多く取り込んでしまい、細胞が刺激されて血管が分厚くなってしまうことがわかっています。

つまり、血管が狭くなる動脈硬化の状態が生じ、血液の流れが悪くなるわけです。決定的ではありませんが、人間でも同じようなことが生じているのではないかと疑われています。

尿酸値が高い人は、そうでない人に比べて心筋梗塞などの心臓病での死亡リスクが2倍近くになっています。コレステロール値が正常で、高脂血症や糖尿病、喫煙といった心臓病の要因がないにもかかわらず、心臓病を発症してしまう高尿酸値の人がいるのです。

そのような人の場合に、多すぎる尿酸による動脈硬化があるのではないかとみられているわけです。

このように、本当に怖いのは痛風ではなく、動脈硬化ゆえの命に関わる心臓病や脳卒中などです。それは、痛風の激痛発作もなく、高い尿酸値を放置したままについ油断しているとき、突然やってくるのです。

これからの時代、尿酸値は痛風のためだけではなく、心臓病などの生活習慣病の手がかりとなりそうです。十分に注意してまいりましょう。