痛風 怖い狭心症と心筋梗塞

動脈硬化

痛風が動脈硬化を促進させる

動脈硬化は、コレステロールや中性脂肪が動脈の内側の血管の壁にこびりつき、動脈の内径が狭くなったり、固く変質して弾力性が失われたりする症状のことをいいます。動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞といった心臓病などの重大な病気にかかる危険性がかなり高まります。

高尿酸血症や痛風は、高脂血症を合併しやすく、動脈硬化を促進する危険因子となります。実際、尿酸値が高い人はそうでない人と比べ、心疾患を起こしやすいことが多くのデータの中で実証されています。

痛風の人に多い高脂血症が動脈硬化を促進

高脂血症とは血液中の脂質の量が多い状態をいいます。中でも特に問題になるのは、コレステロールが多い「高コレステロール血症」と中性脂肪が多い「高中性脂肪(高トリグリセリド)血症」です。

正確な統計はありませんが、痛風・高尿酸血症の患者の約半数が高脂血症を合併しているとみられています。痛風・高尿酸血症の人がなぜ高脂血症を合併しやすいのか、はっきりした因果関係は解明されていません。

しかし、どちらの病気にも脂肪分の多い食事、過食、肥満、アルコールの多飲など、共通する要因が関係しています。この高脂血症こそが動脈硬化を促進する「主犯格」ですから、進行すると狭心症と心筋梗塞など、心臓病の危険性を高めます。

怖い虚血性心疾患

高尿酸血症や痛風により動脈硬化が促進されると、それが原因となって「虚血性心疾患」という血管の病気に至ることがあります。

虚血性心疾患とは、心臓の筋肉(心筋)に血液(その中に酸素や栄養素が含まれる)を運んでいる冠動脈が動脈硬化を起こして詰まってしまい、血液の量が不足する状態を指します。

狭心症と心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞

「狭心症」

虚血性心疾患は大きく2つに分けられます。ひとつは「狭心症」と呼ばれるものです。これは、冠動脈の血管がけいれんしたり、動脈硬化によって冠動脈が狭くなり、酸素不足になって前胸部が激しく痛むものです。

発作は一時的なもので、ニトログリセリンなどで抑えることができます。ひどくなると、冠動脈形成手術を行わなければならなくなります。

かつては欧米人に多く見られる病気でしたが、生活様式の欧米化に伴い、日本でも増加しつつあります。特に50~60代の男性に多く見られます。

「心筋梗塞」

狭心症は血管が狭くなりますが、症状がさらに進むと、血管がふさがれて血液の供給が完全にストップしてしまいます。こうなると心筋(心臓の筋肉)は壊死を起こし、心筋梗塞を発症します。心筋梗塞は狭心症以上の激しい痛みを伴います。

発症直後の心臓は豆腐のようにもろくなり、安静にしていなければ壊れてしまいます。この場合、一刻も早く、専門医の治療を受けなければなりません。この病気も50~60代の男性に多く見られます。

健康な人の2倍

2倍
痛風患者が虚血性心疾患で死亡する確率は、痛風を患っていない人の約2倍といわれています。これは肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧など、虚血性心疾患になり得る危険要因があるためだと思われます。

自分の健康状態とともに、病気の危険性を把握し、一つでも危険要因を減らすことが大切になってきます。