痔にお酒は良くない?

痔にお酒はよくない

お酒を飲むと体が熱くなりませんか。あれは、アルコールの作用で血行がよくなっているからです。では、酔いがさめてくるとどうなるでしょうか。一時的にですが、「寒く」なります。(※ただし、飲酒してすぐに寒気がするのは「急性アルコール中毒」です)

血管が拡張して身体が暖まるのは飲酒した直後だけで、酔いがさめれば今度は血管が収縮して通常より血行が悪くなってしまいます。血行が悪いと寒くなります。ですから、結局お酒は体を冷やしてしまうわけです。

お尻の静脈はもともと心臓へ血液を戻す力が弱いのが特徴です。お酒の作用で動脈から流れてきたたくさんの血液に対し、お尻の静脈の血流が追いつかない状態になってしまうのです。つまり、お尻付近で、血の流れが滞ってしまいます。こうした状況が「うっ血」を生み出してしまいます。

アルコールでいぼ痔が巨大化

いぼ痔はもともと肛門の静脈がうっ血を起こして生じたものです。ですから、アルコールにより、「いぼ痔」持ちの人はさらにいぼが巨大化してしまいます。また、お酒の作用で毛細血管が拡張するため出血しやすくなります。加えて、お酒を飲み過ぎて、翌日下痢をしてしまうことがあります。

これは、アルコールが腸を刺激し、腸で水分が十分に吸収されないまま便と一緒にでてしまうためです。下痢そのものがつらいのに、何度もトイレに行ったりしてお尻に負担をかけてしまいます。

また、下痢になると、排泄時の激しい勢いで傷がつき、切れ痔を引き起こしたり、細菌感染による痔ろうへつながることもあります。こういうことですから、お酒は痔にとってよくないようです。

お酒が好きな人にはお酒を取るか、痔の改善をとるか悩ましいところですが、一度試しに禁酒してみて、飲酒している期間と禁酒している期間の痔の様子を比較してみるのはいかがでしょうか。もしかしたら、もしかするかもしれませんよ。

お酒で便秘解消!?…しかし

中にはお酒を飲んだ翌日に便通が良くなるので、アルコールは便秘対策に良いと考える方がおられます。(飲み過ぎると下痢までいってしまう場合もよくあります)便が程よい柔らかさになって、便通がよくなるのは確かに良いことです。では、アルコールで便が柔らかくなるのはどのようなしくみなのでしょうか。

すい臓がやられる

アルコールを摂取すると、すい臓がアルコールで刺激されて大量のすい液を分泌します。その大量に出る消化液が便に含まれて水分の多い柔らかめの便を作っているのです。そのうえ、アルコールが腸を刺激し、腸で便の水分が十分に吸収されないままなので便はやわらかいままです。

このようなしくみでアルコールは便秘解消になるかもしれませんが、飲み過ぎが大量の消化液を分泌しなければならないすい臓にとって大きな負担になります。便秘を解消する一方ですい臓がやられてしまう「すい炎」を引き起こす可能性が大きくなってしまうのです。

厚生労働省から出された「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では「節度ある適度な飲酒」を推奨しています。その中で、一日平均純アルコールで約20g程度を適度な飲酒量としています。

目安としては、

  • 1日ビール中瓶1本(500ml)純アルコール20g
  • 日本酒1合(180ml)純アルコール22g
  • ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml)純アルコール20g
  • 焼酎(35度の場合、0.5合90ml)純アルコール25g
  • ワイン(2杯240ml)純アルコール24g

…となっています。ちなみにすい炎にかかると、絶飲絶食という恐怖の治療が待ち受けているので気をつけてください。